JapanKnowledge
閉じる
JK Who's Who

裏出良博

うらでよしひろ
photo
提供:大阪バイオサイエンス研究所
大阪バイオサイエンス研究所分子行動生物学部門研究部長
[1953年10月― ]

奈良県出身。1972年に奈良県立畝傍高校、76年に大阪府立大学農学部農芸化学科を卒業。78年、同大学大学院農学研究科修士課程を修了した。82年には京都大学大学院医学研究科博士課程を単位取得退学した後、日本学術振興会奨励研究員となる。83年には京都大学で医学博士号を取得。同年から4年間、新技術開発事業団の早石生物情報伝達プロジェクトに研究員として、勤務した。87年には、大阪バイオサイエンス研究所酵素代謝部門の研究員として採用された。88年、アメリカのロッシュ分子生物学研究所の客員研究員、90年、日本チバガイギー国際科学研究所の主任研究員として酵素たんぱく質と薬剤開発の研究に当たる。93年、大阪バイオサイエンス研究所研究副部長に就任し、98年から現職。
専門は分子行動生物学、生化学、神経科学、睡眠学。研究テーマは「睡眠のメカニズムの解明」で、睡眠研究の第一人者として知られる。1980年代後半に、所属する研究チームが脳内にある生体調整ホルモンの一種、プロスタグランジン(PG)D2が自然な眠りを誘う「睡眠物質」であることを発見した。このPGD2を動物の脳内に投与すると、通常の生理現象と同じ質の眠りを誘発することを証明。また、PGD2を合成する酵素が、脳を覆うくも膜に存在することを突き止めた。これらの研究成果を基に、睡眠と覚醒の調整に関わるPGD2、PGE2、アデノシン、ヒスタミン、オレキシンという5つの物質の相互作用を調べ、副作用の少ない「居眠り防止薬」や「睡眠導入薬」の開発を進めている。
2008年、マウスの実験データから睡眠の深さと覚醒の状態を自動判定する解析ソフトを作り、人間の睡眠状態を調べることができる携帯型「睡眠計」の試作品を完成させた。この睡眠計は、体は休んでいるが脳は働いている状態の「レム睡眠」と、体と脳が休んでいる状態の「ノンレム睡眠」を脳波によって判別し、睡眠の質と量を点数化することが可能。2年以内の実用化を目指しており、今後は睡眠計で計測したデータを携帯電話などで「睡眠解析センター(仮称)」に送信し、点数化した計測結果を返送するシステムの構築を視野に入れる。
日本生化学会評議員、日本睡眠学会理事、日本応用酵素協会評議員などを務める。

関連サイト:

[山本将史]
[サイエンス&テクノロジー]
[2008年5月10日配信]

© 2001-2008 NetAdvance Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます